桟敷女房御返事

〔C0・弘安五年二月一七日・桟敷女房〕/白きかたびら布一切給はり了んぬ。法華経を供養しまいらせ候に、十種くやう(供養)と申す十のやう候。其の中に衣服と申し候はなににても候へ、僧のき候物をくやうし候。其の因縁をとかれて候には、過去に十万億の仏をくやうせる人、法華経に近づきまいらせ候とこそとかれて候へ。あらあら申すべく候へども、身にいたわる事候間、こまかならず候。恐々謹言。/二月十七日日蓮(花押)/さじきの女房御返事