衣座室御書

〔C6・正嘉元年〕/法師品に云く「薬王、其れ法華経を読誦すること有らん者は、当に知るべし、是の人は仏〈仏とは如来なり〉の荘厳を以て自ら荘厳するなり」。/┌──────────────────────────────────────────────┘/│┌─戒聖行──円頓戒/└─┼─定聖行──円頓定/└─恵聖行──円頓恵/玄義の四に云く「文に云く、如来荘厳而自荘厳とは即ち円の聖行なり」。法師品に云く「如来の室に入り、如来の衣を著、如来の座に坐して、爾して乃(いま)し応に四衆の為に広く斯の経を説くべし」。経釈に云く「如来の室〈梵行の中の慈悲喜なり〉とは一切衆生の中の大慈悲心是れなり」。玄義に云く「如来の室とは即ち円の梵行なり」。法師品に云く「如来の衣とは柔和〈嬰児行〉忍辱〈病行〉の心是れなり」。玄義の四に云く「如来の衣に二種あり。柔和は即ち円の嬰児行なり。忍辱は即ち円の病行なり」。法師品に云く「如来の座とは一切法空是れなり」。玄義の四に云く「如来の座とは即ち円の天行なり」。十信、十住、十行、十回向/┌─不動地──戒───┐/〈別教〉├─堪忍地──定───聖行天行は二地〈已上〉/初地の五地─┼─無畏地──恵───┘嬰児行病行は五/├─一子地──慈悲喜─梵行地の菩薩、天行の菩/└─空平等地─捨───┘薩の示現なり/┌─不動地──円戒─┐/├─堪忍地──円定├──名字/初住の五地─┼─無畏地──円恵─┘/├─一子地──円慈悲喜──観行/└─空平等地─円捨────相似/日蓮花押