南条殿御返事

〔C1・弘安三年(九月六日以降ほどなく)・南条時光及び母尼〕/はくまい(白米)ひとふくろ(一袋)、いも(芋)一だ(駄)給はり了んぬ。抑故なんでう(南条)の七らうごらうどの(五郎殿)の事、いままではゆめ(夢)かゆめか、まぼろし(幻)かまぼろしかとうたがいて、そらごと(虚言)とのみをもひて候へば、此の御ふみにもあそばされて候。さてはまことかまことかと、はじめてうたがいいできたりて候。