現世無間御書

〔C1・建治四年二月一三日〕/或はくびをきり、或はながさればととかれて、此の法門を涅槃経・守護経等の、法華経の流通の御経にときつがせ給ひて候は、此の国をば梵王・帝釈に仏をほせつけて他国よりせめさせ給ふべしととかれて候。されば此の国は法華経の大怨敵なれば、現世に無間地獄の大苦すこし心みさせ給ふか。教主釈尊日蓮がかたうどをしてつみしらせ給ふにや。よもさるならば天照太神・正八幡等は此の国のかたうどにはなり給はじ。日蓮房のかたき(敵)なり。すすみてなら(懲)わかし候はんとぞはやり候らむ。いのらばいよいよあしかりなん、あしかりなん。恐々謹言。/二月十三日日蓮(花押)/御返事