道妙禅門御書

〔C6・建治二年八月一〇日・道妙禅門〕/御親父祈祷の事承り候間仏前にて祈念申すべく候。祈祷に於ては顕祈顕応・顕祈冥応・冥祈冥応・冥祈顕応の祈祷有りと雖も、只肝要は、此の経の信心を致し給ひ候はば、現当の所願満足有るべく候。法華第三に云く「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」。第七に云く「病即ち消滅して不老不死ならん」との金言之れを疑ふべからず。妙一尼御前当山参詣有り難く候。巻物一巻之れを進らせ候。披見有るべく候。南無妙法蓮華経。/八月十日日蓮花押/道妙禅門。